翌朝、ホテルのモーニングを食べて木津に出発。今日は2008荒木又右衛門鍵屋の辻の決闘マラニックで京都は木津の御霊神社から山を越えて三重県の伊賀上野までの45kmを走ることになっている。前日のフル・マラソンのダメージは幸い少なく、足がどよ〜んと重いのと、右膝が軽く痛む程度。右膝はこれまでの経験から大事に至ってないので、走りだしたら痛みは感じないだろう。年の為に機能タイツの下にキネシオロジー・テープを貼ったが、結論からいけばそのおかげか問題なく走れた。
この2008荒木又右衛門鍵屋の辻の決闘マラニックは、京和トライアスロンクラブという走友会の主催の大会。その筋(どの筋だ?)では有名なところで、熱心なファンも一部にいるらしい。よぉ知らんけど。私が7月に同クラブの主催する続忍者武術大会マラニックに参加して、迷子になってショートカットでゴールしたこともある(苦笑)。今回はそのリベンジの意味合いもあった。
もうひとつは、リンク仲間で某コミュニティのちょき屋さんと初めて会えること。これが大きな楽しみのひとつでもある。
8:00前に木津駅を降りて駅を出ると、後ろから、
「サンタパパさんですか?」
という声が!なんとちょき屋さんが一発で見つけてくれたのだ。仮装もしてないのに(笑)。どうも荷物や行動から推理して導きだして、多分そうだろうという結論を出したのだそうだ。ごあいさつをすると、
「これ、差し上げます」
と、なにやら怪しい巻物(笑)をもらった。するすると延ばしてみると、おおおっ!なんと今日のルートを書いた地図ではないか!しかも、写真入りのオール・カラー版。ネットでいろいろと調べて作成したという労作。ちょき屋さん、Good Job!!
と騒ぐのにも訳がある。マラニックは基本セルフ・カバレッジで地図を頼りに走るマラソン+ピクニックなのだが、この京和トライアスロンクラブの場合、ネット上でも「井上ワールド」と呼ばれている独特なファジー空間があり、例えば7月のマラニックに時には、スタート時に模造紙に手書きの味のある地図で説明して、一切地図は配らず。もちろん、誘導員はほとんど皆無。後は地面に書かれた矢印を頼りに走ることになる。当然、7月の私もそうだったが、過去にも迷子になった参加者が続出。そんな「井上ワールド」のマラニックにもマニアックなファンが多いと聞く。その中でこの地図は非常にありがたいアイテムなのだ。
受付直前に木津の御霊神社にちょき屋さんと到着。天気は微妙に降るような降らないような全天を覆う曇天。受付を済ませるとそそくさと準備をして、荷物を預ける。今回は木津から伊賀上野までのワン・ウェイなので、希望者には500円で荷物を運んでくれるのだ。
私はセルフ・カバレッジなので、必要最小限のものを入れた背嚢とウェスト・バッグ。チョキ屋さんはなんと、レースのテーマに合わせて、丁髷の鬘と脇差を差した侍スタイル!やるなあ!早くも注目の的で、そこにいた子供も喜んでいた。まずはスタート前に記念撮影。
で、肝心の事前ルート説明だが、なんと今回はなし(苦笑)。道の矢印を見ながら無い部分は道なりにということで(笑)、説明は鍵屋の辻の決闘での荒木又右衛門の活躍に終始した(笑)。
スタート前にぽつ、ぽつとちょっと雨粒が落ち始める。「なんとかもってほしいなあ」と思いつつ、スタート地点にちょき屋さんと並ぶ。マラニックやジャーニーランではそうなのだが、皆前には並ばず、リラックスした様子でばらけて立っている。
9:00定刻、ピストルの音と共にスタート。私は前日の疲れもあるのでちょき屋さんに、「写真撮ったり坂は歩いたりするんで、何だったら先に行ってくださいね」と言ったが、気を使ってくれてずっと併走してくれた。スタートからしばらくは70人ぐらいのランナーがそれなりにかたまって走るので、ルートを悩む心配はない。最初から細かいアップダウンがあるコースで、元気なうちなのでそれなりに余力を残しながらスピードを上げて走っていく。
その集団も次第にばらけてくるが、意外に前後にランナーがいたりして、気持ちの上で安心できる。しかも今日はちょき屋さんという頼りになる同胞がいるのだ。話ながら走っていくと、時間が経つのも早いし、楽しく走れる。
11kmの場所にエイドを発見。ここの大会は基本はセルフ・カバレッジでエイドがないのが原則だが、実際はサービスで出してくれている。あてにするなということでもあるのだろうけど。
エイドの人がちょき屋さんの侍スタイルを見て、
「それで走ってきたの?」
とうれしそうに言う。「はい」と返事したちょき屋さんに、
「やるじゃん!」
と言って、ニッと笑った。エイドを後にすると、坂をひーひー言いながら歩いて、旅を急ぐ。これも2人でいると、
「あの先、坂ですかね?」
「目の錯覚ちゃうん?」
「やっぱり気のせいですかね?」
「実は向こうの方に水が流れていくんやて知ってる?(笑)」
みたいな会話で楽しく走れる。
天気はだんだん湿度も下がってきて、雲も薄くなってきたのか、少し明るい雰囲気になってきた。
20kmぐらい行ったところでうどんが食べることができるお店があるのだが、なんと休業の模様。食をとれそうな場所はそこぐらしかなかったので、ちょっとダメージが大きい。
笠置トンネルの手前でまたもや急勾配の坂。地元のおばあちゃんがその坂を登りながら、
「この先はすごい坂だからね」
と注意してくれる。しかもこの急勾配の坂、「通学路」って書いている!この一帯の人は忍者の子孫か?
途中、女性ランナーと出会ってちょっとばかり併走。このあたりで道を間違えそうになり、ちょき屋さんと女性ランナーの2人にツッコミを受ける(笑)。
道が下りになり、下がりきった25kmあたりのところで、楽しみにしていた沈下橋。川にかかる姿が美しい。このあたりでパワー・ジェルでエネルギーを補給。後半戦に備える。
川沿いに山道の中を通って行く。このあたりは道がぬかるんでいて、走ると滑りそうになる。ただ、川沿いは水の潤いがあって好きなルートではある。
舗装された道に出ると発電所の近くを通り、大通りに。なぜか今時暴走族らしき集団に遭遇して、タイム・スリップ感覚を味あう。前にお侍さんも走ってるし(笑)。
左に曲がろうとしたのをちょき屋さんにたしなめられながら、右に曲がってまた坂を登る。一度下って月ケ瀬駅の近くを通り、坂を登るといよいよ二本杭。ついに伊賀國に入る。
35km付近にまたサービス・エイド。47番と48番だと教えられた。水分と塩、角砂糖を補給すると残り10kmの道を走って行く。
と、なにか太鼓の音が聞こえる。見ると道の真ん中に獅子舞と鬼の仮面の人達が。地元の祭のようだ。思わず見学して写真を撮る。侍スタイルのちょき屋さんは鬼に祝福されていた。心和むひととき。
残り8kmまで来た時にちょき屋さんに先に行ってもらって、しばらく一人旅。橋を渡ると右に折れて坂を上り、与右衛門坂へ。そしてその先で、ミス・コース(苦笑)。
「おーい」
と呼ぶ声がするので振り向くと地元の方が、
「そっちは多分ちがうぞ。さっき、おねーちゃんが戻って走ってきてたぞ」
と教えてくれた。あぶない、あぶない!あやうくあさっての方向に行くところだった。丁寧に礼を述べると今来た道を引き返す。
ほどなく大和街道に入る道があり、なるほど申し訳程度に印がついている(笑)。芭蕉の尻もち坂を過ぎ、三本松の池の脇を通って山の中へ。ここは道なき獣道を必死に探しながら通る。
なんとか公道に出るとずっっと先に、今日はとても見慣れた姿が。ちょき屋さんだ。なんとか追いつけたらしい。車通りの多い国道を追いかけて必死に走る。上り坂もあってなかなか差は縮まらなかったが、43km付近の下り坂でターボを使ってなんとか近づいていける。
「お〜〜〜い、黄門さまぁ〜〜〜!」
これじゃ、うっかり八兵衛だ(苦笑)。待ってくれたちょき屋さんのおかげで再びゴールまで2人旅。そしてゴールまではあと2km。最後に木津川を渡り、道を下ったところでめでたくゴール!最後はへろへろで根性がなかったので、ちょき屋さんには鼻の差ならぬ足の長さと気力の差で負けた。
ゴール後の生姜入りの甘酒がとっても美味。参加賞のバスタオルと伊賀上野のお菓子もいただく。ちょうど、参加者の抽選会が行われていて、なんと伊賀忍者スリッパが当たってしまった(爆笑)。これは前後どちらからでも履けるスグレモノだ。伊賀上野、侮りがたし!そして我らがちょき屋さんは、侍スタイルでマラニックを走りきったことを称えて、特別賞を受賞!パチパチ!
終了後は参加者は伊賀上野の銭湯に無料で入れる。さっぱりした後は駅前のお好みやさんでちょき屋さんと打上げ。電車の時間までの短い間ながら、とても楽しい時間を過ごすことができて幸せ。充実した関西の2日間だった。
| 2008荒木又右衛門鍵屋の辻の決闘マラニック | |
|---|---|
| 日時 | 2008/11/ 4(月・祝) |
| 場所 | 京都府木津〜三重県伊賀上野 |
| 天気 | 曇 |
| 距離 | 45km(マラニック) |
| タイム | 6:07:15 |










